妊娠・出産によってもらえるお金や、免除されるお金があるってご存じですか?
ほとんどの方が一度は耳にしたことがある手当といえば
- 出産・育児一時金
- 出産手当金
- 育児休業給付金
- 児童手当
これら全て、妊娠・出産・育児中に貰えるお金です。
聞いたことはあるけれど、なんだか同じような名前で違いがよくわからないですよね。
そもそも申請の手続きってどうなっているの?
病院や会社、行政が勝手にやってくれるの?
助成や免除されるお金があるけどよくわからない。
実際にいくら貰えるのかわからない。
分かりにくい内容を、FP事務所を舞台に3人のキャラクターが分かりやすくお話していきたいと思います。

左:涼子さん・・・事務所の常連客、新婚さん。金融知識を勉強し始めた
中:吉永所長・・・真面目で腕利きFP事務所所長
右:夏美さん・・・新人FP。明るく元気でちょっと天然
序 章 手当金の紹介
第1章 傷病手当金
第2章 妊婦健診
第3章 出産・育児一時金→今回ご紹介
第4章 出産手当金
第5章 育児休業給付金
第6章 児童手当
第7章 免除されるお金
▼前回の記事はこちらからどうぞ!▼


出産・育児一時金とは、
出産などの経済的負担を軽減するために設けられた制度です。
出産・育児一時金は健康保険や国民健康保険から支給されます。よって、
全ての妊婦さんが平等に受け取れる手当金となります。

支給額は、一児ごとに42万円です。
あれ?一児ごとということは、双子や三つ子といった場合になると…?
そうですよね、所長。
多胎児出産の場合は、それだけ出産の費用も高額になりますからね。
出産にかかる費用は市区町村や総合病院・産院などによって異なりますが、おおよそ50万円前後です。

“出典:(社)国民健康保険中央会”
もし42万円以内で出産費用が済んだ場合は、返還しなければいけませんか?
出産後は育児などでもお金が必要になるので、そのために使って構いません。
冒頭で申し上げたとおり、出産・育児一時金は出産などの経済的負担を軽減するための手当金です。
もちろん、足りない分は自己負担になりますが、思っている以上に負担は軽減されますね。
むしろ、少し贅沢して個室にしてゆっくりすることもできますね。
赤ちゃんに会えて嬉しい反面、お金の心配ばかりしてると疲れちゃうものね。
あの…あまり考えたくないのですが、万が一、赤ちゃんに会えずお別れしてしまった場合はどうなりますか?
出産・育児一時金はすべての妊婦さんが受給できる手当金ですが、この出産・育児一時金の出産の定義は、妊娠4ヵ月以上の出産となります。
そのため、妊娠4か月以降であれば
予定より早く生まれた場合の早産や、残念ながら死産や流産になった場合でも受け取れることはできます。
てっきり退院するときの精算時に、勝手に42万円が引かれてくるものだと思っていたわ。
多くの方はその制度を利用されていますね。
- 産後申請方式:出産する医療機関で費用を全額支払い。後日、加入している健康保険組合などへ請求を行う方法
- 受取代理制度:医療機関が出産育児一時金の受取代理人になり、加入している健康保険組合などに申請する手続きを行う方法
- 直接支払制度:医療機関の支払い窓口で42万円分を引いた差額分を支払う方法
メリット・デメリットも追加してます。

所長!帝王切開や緊急手術を行った場合や、入院が予定より伸びてしまい医療費が高額になってしまった場合など、負担を軽減する方法ってないですか?
本来出産にかかる費用は公的医療保険の対象ではありません。
つまり、実費扱いになります。
しかし妊娠中に何かしらのトラブルによって入院や手術をしなければいけない場合や、帝王切開での出産の場合は公的医療保険の対象となります。
よって、支払い時の負担は3割負担です。それでも
医療費が高額になってしまった場合は、高額療養費制度を利用することが出来ます。
自己負担額は所得により異なります。

“出典:価格.com保険“
この2パターンがあり、限度額適用認定証を使用する場合の方が窓口での負担が軽減されます。
- 一旦窓口で全額支払い、後日高額医療費の申請をして支給してもらう場合
- 事前に限度額適用認定証を使用し、窓口での支払いは自己負担限度額までにする場合


“出典:Rakuten保険の総合窓口”
帝王切開で出産の場合は、保険がおりるはずですから。

今回の出産・育児一時金は出産時に支給されるものだったので、支給のタイミングなど気を付けることはお伝えしませんでした。
しかし、次回以降の出産手当金・育児休業給付金については申請後すぐに支給されるものではないので、その辺の注意点も踏まえてお話していきたいと思います。