Episode2~2
「銀行預金じゃお金が減る!?」
吉永所長
では昨日の続きで、このままインフレになっていくとどのくらい今のお金の価値が下がるのかをシミュレーションしてみましょう

夏美
わかりやすいように、涼子さんの預金は100万円ということで計算してみます。
利率は年利0.02%です。
毎年200円もらえるわけですね。
そして政府は物価上昇2%を目標にしているので、物価は毎年2%ずつ上昇すると設定。
すると…

涼子さん
10年で物価が2.5割増し⁉
夏美
それに消費税10%が乗るので、実際には3.5割増しですね
涼子さん
私の100万円は100万台のままなのに、36万円も高くなってる…
吉永所長
30年後には消費税を含めると203万円ですから、ほぼ2倍です。
つまり涼子さんの100万円は50万円の価値しかなくなります。
つまり涼子さんの100万円は50万円の価値しかなくなります。
涼子さん
半減だなんてもう暮らしていけないじゃないですか!
30年後ってもうすぐ年金暮らしが始まるころなのに…。
は!インフレで物価が上がったら、年金の支給額ってどうなるんですか?
吉永所長
日本の年金制度では、物価スライド方式というのを採用しています。
これはインフレで物価が上がると、給付額も上げるというものです。
涼子さん
なんだよかった~
吉永所長
甘いですよ涼子さん。
確かにそういう定めがありますが、これが守られるとは言い難いんです。
涼子さん
え~どういうことですか!?
夏美
ちょっと前まで日本てデフレでしたよね?
この法式にのっとると、物価が下がるデフレ時には、年金の支給額は下がらないとおかしい話になります
涼子さん
それはそうですよね。
物価が安ければ年金が少なくても、今までと変わらない生活が送れるわけですもん
吉永所長
でも支給額は下がらなかったんです
」
涼子さん
え~何でですか?
吉永所長
確かにデフレ時に減額しても、実質的な支給額は変わりません。
しかし見た目の金額を減らすと、年金受給者が反発します
涼子さん
まあ気持ちはわかりますね
夏美
だから政府は下げなくて済む、特例法を作ったんです!
涼子さん
えええ!
吉永所長
そう、2000年度に政府は特例法を作り、0.3%下げるべき支給額を据え置くことにしました
涼子さん
じゃあ今も?
吉永所長
はい。
それが前例となり、2012年度には本来の水準より2.5%も多い状態になってしまいました。
それが前例となり、2012年度には本来の水準より2.5%も多い状態になってしまいました。
涼子さん
じゃあ実質的には、2.5%多くもらえてるんじゃないですか!
夏美
そうなんです!
これによって起きた「もらいすぎた年金」の額は、なんと累計7.5兆円です!
涼子「何それーーーーーー」 吉永「怒りはごもっともですが、 気にしてほしいのは、 いくら物価スライド方式を とっていたとしても、 この様な例外を取られない保証はないということ。
つまりインフレ時になったからと言って
支給額がちゃんと上がるという保証はないということです」
涼子「確かにこの先例を聞く限り、 やっぱり年金に頼れないですね」 吉永「正直年金をあてにしていては老後を安泰に暮らすことは絶対に無理です。」 涼子「うううとなるとやっぱり真剣に貯金を殖やす方法を実践しないといけないんですね」 吉永「そうなりますね」 涼子「でも、 物価上昇2%を目標にしたからって、 毎年2%上がっていくわけじゃないと思うんですよ。 そうなると今のシミュレーションって ありえないというか、上がったとしても 倍増ってことはないんじゃないんですか?」 吉永「いいところに気が付きましたね! 確かに目標が2%だからと言って 毎年物価が2%上昇し続けるとは限りません。 しかし、
インフレはコントロールできない
とも言われています」 涼子「コントロールできない!?」 吉永「インフレだけでなくデフレもです。 数年前を思い出してください。 政府がどんな対策を取ろうとも、 デフレスパイラルに陥った日本は どんどん物価が下がっていきましたよね? そういうことです」 夏美「まあこれが極論だとしても、 理解してほしいのは今のお金の価値は ほっておくと下がってしまうということです。 このグラフを見てください。 50年前の物価と現在の比較です。
確実に物価は上がってきているんです。」
吉永「資産価値は半減までいかなくても 2割、3割減ということは大いに考えられるんです。 その時に困らなくて済むように、 やはり預金先はしっかり吟味するのがベストなんです。」 涼子「年利2%以上のところにすぐ移さなきゃ!」