episode 11-2
「貨幣のはじまり~こうして経済は回ってきた~」

吉永所長
それでは、昨日の続きと行きましょう!
夏美
昨日は物々交換から、貨幣のやりとりに発展したところまでですね!

吉永所長
そうですね!
この時の貨幣は、持ち運びや製造の可否によって素材が選ばれました。
吉永所長
金や銀、銅というのは、素材そのものに価値があったので、通貨として使われました。
吉永所長
素材価値がなければ、相手に信用されませんもんね。
夏美
そしてこの通貨は、室町時代頃流通し始めましたと言われています。
吉永所長
ちなみに少し昔に戻りますが、中国で、<開元通宝>という優れた貨幣が造られ、これらが遣唐使などによって日本に伝えられたと言われています。

夏美
それをモデルにして造られてのが、<和同開珎>ですよね!

涼子さん
これが日本最古の貨幣とされていると、勉強した気がします!
吉永所長
実は日本最古のお金は、世紀後半に造られたとされる<富本銭>だという意見もあるんです!
まだ調査中とのことですけどね。

涼子さん
それは、初めて知りました。
吉永所長
話は戻りますが、硬化の材料として、西日本は大森銀山から採掘された銀
東日本は岩手や佐渡で取れた金が、主に使用されるようになりました。
金や銀は優れた貨幣でしたが、大量に使われるようになると、不便な点も出てきます。涼子さん
すごく便利になったと、思うんですけどね。
吉永所長
確かに便利に放ってるはずなんですが、交易が活発になると支払金額が増えてくるからなんです。
夏美
ということは、ここでもやはり持ち運びが大変ですね。
吉永所長
また、途中で強盗に取られたら大変です。
涼子さん
たしかに!
夏美
ただ、強盗も奪ったあとが大変そうですけどね。
吉永所長
とにかく!
そこで、<両替商>が登場しました。 金や銀を大量に保有する大金持ちに金や銀を預け、手数料を払って預かり証を発行してもらいます。
そこで、<両替商>が登場しました。 金や銀を大量に保有する大金持ちに金や銀を預け、手数料を払って預かり証を発行してもらいます。

夏美
商品の売買にこの預かり証を使えば、比較的安全に大金を持ち運ぶのと同じ効果が得られますね!
吉永所長
預かり証を受け取った側も、それをすぐに換金することなく、別の支払いに使うことも可能です。
ってことは、預かり証自体がまるで通貨のような働きをするようになるってことですね!
これが紙幣の誕生です!
そして両替商は、明治になって銀行として発展していきます。

涼子さん
紙幣や銀行ができるまで、こんなに長い道のりがあったんですね。
夏美
そうですね。
これでやっと今の時代に、近くなってきましたね。
吉永所長
そして明治になると、政府は通貨制度を整備します。
それより前の江戸時代には、<両(りょう)><分(ぶ)><文(もん)>といった単位が使われてましたよね。
夏美
そうですね。
硬貨の種類としては、江戸幕府が発行していた金貨(小判など)銀貨(丁銀、豆板銀など)銅貨(1文銭など)がありましたが、そのほか全国各地の大名は自分の藩だけで通用する<藩札>という紙幣も発行していました。

吉永所長
さらに幕末時代になると、外国製の銀貨が大量に流入したんですね。
夏美
それだけいろんな種類があると、混乱しちゃいそうですね。
吉永所長
はい。
まさに明治の初頭には、日本のお金の制度は大変混乱していました。
夏美
そこで明治政府は、日本全国で利用できる統一したお金の制度作りをしたんですね。
吉永所長
それを<新貨条例>といい、1871年(明治4年)5月に公布され、<円・銭・厘>という新しい単位が決定しました。
古いお金を新しいお金に換算するのに便利なように<1両=1円>と決められため、円滑に新しいお金の単位に移行することができたようです。
夏美
今のものの価格と比較してみます
○米の価格で比較: 1両=4万円
○そばの代金で比較: 1両=12~13万円
○大工の賃金で比較: 1両=30~40万円
に相当します。
吉永所長
ちなみに当時、アメリカ・ドルの1ドルは、1両金貨と交換されていましたから、円の為替相場は<1ドル=1円>だったことになります。
夏美
今と比べるとものすごい円高ですね!
吉永所長
そして明治5年(1872年)、国立銀行条例を制定
その翌年、最初の国立銀行が設立され、銀行券の発行が始まります
夏美
やっと今のお金のかたちになってきましたね。
吉永所長
明日はさらに近代化した、システムの説明をしていきましょう!
